工学研究科化学工学専攻 岸肇教授グループの研究論文 “Effect of Polymerization-Induced Phase Separation on Flame Retardancy of Cyanate Ester / Polyethersulfone Blends and Thermal Conductivity of Composites with Graphite Fillers”がWiley社のJournal of Applied Polymer Science, Vol.142, Issue 31(2025)のCover Imageとして採択されました

本論文は、ポリエーテルスルホンをブレンドしたシアン酸エステルモノマーの重合誘起相分離構造が硬化樹脂の難燃性に与える効果を明らかにしたものです。数マイクロメートルサイズの共連続相構造形成により著しい難燃性向上が齎されました。また、グラファイトフィラーとの複合化時には、共連続相構造がテンプレートとなり、シアン酸エステルリッチ相へのフィラーの選択配置が自己組織的に生じます。結果、少量のフィラー添加にて熱伝導性を向上させる効果・機構も明らかにしました。炭素繊維強化複合材料用マトリックス樹脂等として航空宇宙産業への応用が期待されます。なお、本研究は内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」(管理法人:JST)により行われました。

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