理事による放談リレー

◇HIT_2016年7月号
・滝見の勧め 
 大学を卒業し、もう33年、時が経つのは早い。まずクラブ活動のことをお話しよう。入学後、車の運転免許が教習所に行かず取得ができる。整備も教えてくれるという先輩たちの甘い言葉で体育会自動車部を選んだ。機械いじり好きで、当時は車を持つことがあこがれの時代だったので思わず入部した。活動は 運転技術、整備技術の向上はもとより、ダートトライアル(悪路を走行するタイムトライアル)、ラリー(200km程度を決められた速度で走行し時間の正確さを競う)などのモータスポーツに参加した。学生でも参加できるイベントであり、車をどう走らせるかを実体験できる良い機会であった。当事、兵庫県内で生野ダム、多々良木ダム、糀屋ダム、また三大学ラリーでは千種高原、箱館山、高野山などの悪路を走行したことを懐かしく思う。今の若い人は車を持たないこともあり、自動車メーカは将来を危惧して、いろいろ手を打っている。スマホ、VRなどコンピュータの発展でいろいろできる時代だが、やはり現地現実が一番である。
 
 さて本題に入りたい。学生時代に山の中を走っていたためか、懐かしくなったのか 先日、兵庫県宍粟市の音水渓谷の林道を走った。そこで滝の形がV字になっている明神滝という滝に出くわした。V字の滝で形が良い。まばゆいばかりの新緑、深い青の苔、滝壷に落ちる水音、澄んでいる空気など マイナスイオン100%、、ずっと見ていても飽きない。時間が過ぎるのを忘れ 日頃の雑音、雑念を忘れることができ、良い時間をすごした。
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 明神滝(宍粟市波賀町)
 今はストレスなど心の健康も問われる時代である。このような自然に触れると心身ともにリフレッシュできる。幸い母校のある西播磨、また但馬方面には有名な滝が多いので、これからの季節は涼を求め、県北部へ向かうことをお勧めしたい。ただしこのような看板もあるところがあるので 十分にご注意いただきたい。
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 猿壷の滝(新温泉町)
 終わりに、当時の自動車部はJAF公認のラリーを主催しており、コース周りの警察、地元の区長さんから許可を取るなど、開催の成功に向かってOBの方含め、メンバー一丸で活動していた。(今で言うワイガヤ活動)思えば学生時代、遊び仲間と麻雀、夜な夜な喫茶店に小腹を膨らませるために行った記憶の方が大きい。エンジニアを目指して、仲間とのコミュニケーション活動を一生懸命やっていた。 今 書き終えて よし今年はOB会をやろう! と思う次第である。このコラムを見て私を覚えてる方は ekaj1960@yahoo.co.jp まで
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M58 山崎 剛(企業理事)

◇HIT_2016年6月号
・国際ヨガの日、二周年を祝う
 6月21日は国連の定める「国際ヨガの日」、制定が昨年なので今年は二周年目となります。「ヨガ」、日本では体操法の一つとしての認識が一般的ですが、本来はサンスクリプト語で「統一」を意味する言葉で、呼吸を整え、瞑想の世界にはいって、正理と一体になることを言います。
 さて、小生が瞑想法を習ったのは平成元年、当時は金融系のシステムエンジニアとして、ストレス一杯の生活を送り、酷い肩こりや心身の不調に悩まされていました。こんな時に、偶々出会った本に導かれ、藁にもすがる思いで近くの瞑想センターのドアをたたき、瞑想法を教えて頂きました。そして習って一週間後、肩こりが全く無くなっていることに驚き、以来27年間、私の生活の一部として瞑想は欠かせない日課となっています。私の実践している瞑想法はTM法(超越瞑想法)と呼ばれていますが、「若返り」「記憶力の向上」「不安の減少」「学業成績の向上」など様々な効果が各国の論文で報告されています。特に、人口の1%の平方根の人数が同時にTMの上級テクニックを実習すると、犯罪の減少や地域紛争の減少、交通事故の減少など、 否定的問題が減少することが実験によってアメリカで確かめられています。
 6月21日、今年も世界中でヨガのイベントが行われると思いますが、小生も自宅にて時間を合わせてTM上級テクニックを実践したいと思っています。そして、微力ですが世界の平和に貢献したいと思っています。
 そして今後、国際ヨガの日が、地球の平和を希求する日として、ますます国際社会に認知されてゆくことを心より期待致します。 
 F44 寺林 史朗(副理事長)
 
◇HIT_2016年2月号
・老化学屋の回想
 S.29入学~S.33卒業 半世紀以上過ぎた。学舎は伊伝居。JR西明石~姫路間は未電化。卒業までSL通学。機械工学、電気工学、応用化学の3学科、各科40名。就職は10/1解禁、殆んど学校推薦のかたち。神武景気と岩戸景気の間、鍋底不況で就活は大変苦労した。
 本州化学工業(株)(資1.3億)に入社。前身は由良精工(有)。一次大戦で染料の輸入途絶。捺染業経営の由良浅次郎氏は、我が国で初めてベンゼンの精留(近代化産業遺産に指定 工場に展示)、アニリン(のちにフェノール)を製造した起業家。終戦後軍需がなくなり経営悪化し会社更生法適用第1号(S.28/7)、S.31/3に解除。S.30/7より本州化学工業(株)に改名。S.32石炭化学から石油化学へ転換が始まった。 S.33/6京都研究所で Bisphenol-A(エポキシ、ポリカーボの原料)合成研究開始。S.34/10 日産1TのPilot運転。最終S.62/3 35,000T/Y。国際競争力のため原料産地で製造してコストダウン必要。三井石油化学工業(株)へ営業権譲渡(H.1)。ファイン部門の受託生産。基幹技術を活かしファイン化路線で再構築を図る。S.35/10 Huls AG/独より「空気酸化によるシクロヘキサノン(6-Nylonの原料) の製造」を技術導入。Process Automationの始まり。ガスクロマトグラフ入荷(機器分析の始まり)計算尺・算盤→タイガー手回し計算機(35,000円/大工日当800円)→卓上電子計算機(S.40年Si-TR 15Kg,40万円≒乗用車 →半導体技術の驚異的な発展(高集積度化)→コンピュータ化、軽薄短小化。人員整理S.52/12 石油ショックによるマイナス成長、不況、設備稼働率低下→人員削減→希望退職募集 605名→434名 賃金-10%、その他合理化で再建に乗り出した。ファイン化路線 高付加価値製品への製品転換、半導体高度集積化に対応Bisphenols
 多目的プラント、ベンチプラント(クイック・レスポンス)(誘導体の品揃)メタルフリー化プロセスの開発(超純水、クリーンルーム)→ppm、ppb分析 分析の高度化 原子吸光法→ICP-MS クレゾールの分離 m-Cresol→Trimethylphenol(触媒改良)2,500T/Y→VitaminE(H.2/2完) 縮合技術Bispheols,Trisphenols,→Photoresist、新規エポキシ&ポ゚リカーボネート Hi-Bis GmbH設立 特殊Bisphenol→ BAYER Bitterfeld/独でJV (H.16) 10,000T/Y  Biphenol→耐熱液晶性ポリエステル原料 独自技術で製造 6,000T/Y
 在職中、業績は水面ぎりぎり状態であったが、 退社時H.9(資本金15億円)より安定した業績になっているのは嬉しい限りだが、H.11年以降、母校からは採用されていない。研究開発部門に30年余り在籍したが、人材(財)育成については、技術者の能力=(専門知識)*(熱意)*(ものの見方、考え方)・・只野文哉氏(日立)が大いに参考になった。ノーベル賞受賞者も熱意、執念、良き師良き友を挙げている。工業倶楽部会員の偏差値が高いのはきっと上式の(熱意)項が優れているに違いない。コーポレイトガバナンス(CG)/コンプライアンス(COMP)について東証一部上場の大会社の不祥事が目に余る。特にT社は監査役協会では、CGでは先進的な優良企業とされていた。所詮絵に描いた餅にすぎなかったか?O(株)、Tゴム(株)、A建材(株)、T社(株)の不祥事については、各社のホームページに調査委員会の報告が公表されているので参照ください。勉強になります。(この他にあの堅実な国柄のVWが? ハッキリ何処の誰の責任か判然とせぬ?STAP)Noと言えない企業体質→Noと言える企業体質(内部通報制度のスムーズな運用?)経営トップに“Honesty is the best policy” であることをどう教育しますか?工業倶楽部会員の現役の皆様は今後いろんなことを経験されるでしょうが “正直は最善の策”“嘘は必ずばれる”“嘘は高くつく”を心してください。
 C33 松本 英計(和歌山支部長)
◇HIT_2016年1月号
 昨年の三大学合同懇親会で日本航空の元機長を経験された先輩に講話をしていただいた。
パイロットとは誰もがなれる職業でなく、十分な知識、能力が必要である。
このような職業に就いた人は当工業倶楽部において、この先輩だけかと思っていたが、他にも何名かおられるようで、工大出身者の方の潜在的な能力の深さに感服した。
 さて、私も若い?とき、約20年間船に乗っていた。船長にはならなかった(なれなかった?)が、航海長、機関長等を経験させてもらった。一番の思い出は、スエズ、パナマ、キールの各運河を航行したことであろうか。
 船の歴史は古く地球上に人類が誕生したときから始まったと言われているが、飛行機は20世紀の始まり(1903年)といわれ、まだ100年余しか経っていない。船、飛行機に使用されることばも興味深いものが多い。パイロット(pilot)とは航空機を操縦する人というイメージが強いが、もともとは操船困難な水域において船長を助け、船舶を安全に導く専門家(水先案内人)のことである。
 また、IT用語としても使用されている on board であるが、board とは板、即ち船の甲板を表し、on board で乗船、搭乗の意味として使用されている。
 私が乗船中「同じ航路も初航路」を座右の銘としていたのが、このことばは現代社会においても戒めとして通用するのではないか。
C51 森島 文夫(東日本支部 幹事長)
◇HIT_2015年12月
 私の入学は姫路城が昭和の大修理を終えた年、そして今年は平成の大修理が終えた年、とにかく姫路城は内も外からも魅力がいっぱい。
 さて、私、学生時代の勉学は全くダメ、残る道は新しいものに挑戦するしかなかったようだ。元々、新しいものに興味があり、すると新しいものに挑戦する機会がなぜか向こうからもやってくる。そして、only one、No1を目指して特許を7件出願、出願中は2件。その内の7件は 小さい隙間産業であるが事業化に深く関係。残り2件は事業と関係ない分野、そして当初の目論見から外れて自分のためだけの特許になってしまった。一つは、東北大学名誉教授(医博)に指導をいただき腰痛から解放される健康器具。そして、もう一つは独身時代に先輩から譲り受けた頑固な、水虫、たむし等も医師と専門製造メーカーの協力をいただき誕生させた正常化力の強いクリーム。自身のほとんどの皮膚のトラブルは解消し、手放せない。 
 多くの方々の教えや協力をいただいた人生。そして終わりのない、小さい挑戦はまだまだ続く。
 今後は四国支部の皆さんから各県の良いところをPRしていただく予定です。ご期待ください。
 S45 久我 髙昭(四国支部長)
◇HIT_2015年10月
・自分のためにすることがひとのためになる
 卒業時38人いた仲間も83歳と平均寿命を超え、すでに15人が鬼籍に入り、元気な方は10人と淋しくなりましたが、ひとかどのエンジニアとして社会に出てから60年、よくぞここまで生きられたと感慨一入です。
 会社生活を終え地域社会人となってすでに13年、長老になった現在、技術屋としてあまりにも地域のことに無関心であり過ぎたと反省している。
 地域に降りれば自分の専門の技術で暮らしていける人はまれで大部分の人は地域のことは奥様まかせ、極端な言葉ですが、地域音痴で、知古も少なく孤独です。平均寿命から見てまだ30年近く生きていかなければならないのに、今から地域に溶け込むことは難しく、引きこもり老人になってしまっている。高齢化問題の一つの要因がここにあると思う。「人間は年を取るものだと始終考えていることほど人間を老けさせるものはない」とドイツの有名な物理学者リヒテンベルぐが言っている通り、年を意識しすぎるのは老いに拍車をかけるようなものです。仕事や趣味に打ち込んでいる人は年老いた人でも自分の年を忘れてしまい若々しい。そう思うとき、私は地域人になりきるため自分が技術屋だとのプライドを封印し徹底して地域に入り込みました。
 技術とは全く無関係の自治会や老人クラブの役員、市のコミュニティ協会、地域情報誌の三役、西宮市の地域情報誌の編集長、その上、元宝塚歌劇の作曲家の先生とで市民ミュージカル劇団を発足させるなどボランティア5団体の役員として連日走りまわって休む間もなく忙しい状況です。お陰で子どもから若い女性、熟年の奥様方、地域の諸団体や行政との付き合いも増え、地域内での知古も増え、若返って暮らしています。
 「人のためにするのではなく、自分のためにすることが、人のためになる」との先人の教えがこの年になって理解できました。年をとってからでは遅すぎます。若いうちから積極的に地域活動に加わり、地域内に多くの知古を作っておくことが老後を楽しく過ごせる秘訣です。 =一老人の繰り言です。
  M30 福本 良一(10/3大阪支部総会で大阪支部長退任)